相続税は何にかかる?相続する前に知っておきたいポイント
財産を相続する際に納める相続税。
相続税は、手元の現金や貯金だけでなく、株式や不動産も課税対象です。株式を購入している方、土地や建物を複数お持ちの方、評価額の高い不動産を所有されている方は、相続が発生した際に多額の相続税が課される可能性があります。遺される財産をどう整理するかは、早めに検討しておくべき課題です。「相続する時に考えよう」と後回しにすると、その時になって大変な思いをすることも。
この記事では、新潟での相続に不安を抱えている方に向けて、相続する前に知っておきたいポイントを整理してご紹介します。
相続税の対象とは?
相続税は、被相続人(亡くなった人)の財産を相続した際に、遺された「金銭的価値のあるすべての財産」に対して課されます。まずは、何が課税対象になり、何が差し引けるのかを整理しましょう。
プラスの財産
相続税の課税対象となる財産は、主に下記のものがあります。
- 現金・預貯金:手元の現金(タンス預金)や銀行口座の残高。
- 有価証券:株式、投資信託、国債、社債など。亡くなった日の時価で評価します。
- 不動産:自宅の土地・建物、賃貸マンション、店舗、駐車場などの土地。
- 家庭用財産:自動車、貴金属、宝石、書画、骨董品、家財道具一式。
- 権利:特許権、著作権、貸付金(誰かに貸しているお金)、売掛金など。
みなし相続財産
- 死亡保険金:被相続人が保険料を負担していたもの。※「500万円 × 法定相続人の数」までは非課税
- 死亡退職金:亡くなった後に遺族が受け取る退職金。※「500万円 × 法定相続人の数」までは非課税
生前贈与財産
生前に被相続人から贈与を受け、相続時精算課税を適用して贈与税の申告をした財産は、相続税の課税対象です。
また、亡くなる直前に財産を移転して相続税の負担を不当に減少させることを防ぐため、相続開始前7年以内に行われた贈与は相続財産に持ち戻して計算します。
課税対象から差し引けるもの
- 墓地・墓石、仏壇・仏具、神具など:ただし、被相続人の死亡後に相続人が相続した財産から墓地や仏具を購入した場合は、課税対象です。
- 負債:借入金、未払金、未払いの税金
- 葬式費用:お通夜、告別式、火葬、お寺への布施など。ただし、香典返しや法要の費用は含まれません。
相続税がかかる人の特徴
相続税には「基礎控除」という非課税枠があります。遺産の総額が基礎控除額を下回っていれば相続税はかからず、申告も不要です。(特例の適用を受ける場合は申告が必要)
ここでは、基礎控除の計算方法と、相続税がかかるケースの特徴をご紹介します。
基礎控除の計算
基礎控除額は以下の数式で決まります。
【3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)】
ここで重要なのは、「法定相続人の数」を正確に把握することです。法定相続人については下記の記事も併せてご覧ください。
▶法定相続人とは誰を指す?範囲・順位・確認時の注意点を解説
特徴1:不動産を相続する場合(評価の高い不動産・広い土地・複数戸所有)
相続税は、被相続人が遺した「遺産の時価」に対して課税されます。中でも不動産は、課税額が目に見えやすい形になっているわけではないので注意が必要です。
都市部や駅に近い土地であれば、想像していたよりも高い評価がされ、基礎控除額を超える可能性があります。また、把握していない不動産を所有していたり、広い土地を所有していた場合も、課税額が高くなる場合があります。まずは、所有している不動産を明らかにすることが重要です。
不動産評価額については、下記の記事の「不動産評価額の算出方法」も併せてご覧ください。
▶初めての不動産相続でも安心!押さえるべき3つのポイント
特徴2:法定相続人が少ない
基礎控除の計算式上、法定相続人が少なければ少ないほど基礎控除額は小さくなります。
例えば、配偶者が既に他界しており、子ども1人が法定相続人となる場合、【3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数:1)】と計算され、控除額は最低ラインの3,600万円です。
法定相続人が少ないと、基礎控除額が超えやすくなり相続税が発生しやすくなります。
相続税の申告前にやるべきこと
相続税申告の際には、財産調査や協議を経て、相続税申告書を作成して手続きを行う必要があります。相続税の申告と納税の期限は、「被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月以内」。期限内にスムーズに相続税申告を行うためには、申告前にやることを把握しておくことがポイントです。
正確な財産調査
まずは、前述した相続財産をすべて洗い出します。現金や預貯金だけでなく、株式や不動産も含まれるため、漏れなく特定する必要があります。現代では、ネット銀行や仮想通貨といったデジタル上の資産を持っているケースもあります。生前にこれらのデジタル資産を整理し、家族に共有しておくと安心です。
特に不動産は、所在地・評価額・名義・収益性などを事前に整理しておくことが重要です。相続発生後に慌てて「売るべきか・残すべきか」を判断したり、十分な調査ができず把握漏れがあったりすると、不利な条件での売却や登記申請の不備につながるリスクがあります。
法定相続人の確定
相続人調査では、亡くなった方の「出生から死亡まで」の戸籍謄本が必要です。戸籍謄本は、戸籍のある各市町村で取り寄せられます。
集める中で、過去の養子縁組や、前妻・前夫との間の子、あるいは認知した子の存在が戸籍から判明するケースもあります。法定相続人の人数は、基礎控除の計算のほか、遺産分割協議の参加者にも影響します。遺産分割協議については、下記の記事のも併せてご覧ください。
▶遺産分割協議とは?手続きの流れとよくあるトラブルを解説
また、相続手続き全体の流れについては、「相続手続きの流れ」でも紹介しています。
2024年4月から義務化!「相続登記」の期限
2024年4月1日に義務化された相続登記。不動産を相続した時には、相続税の申告だけでなく、相続登記も行う必要があります。相続登記には期限があり、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に、法務局で名義変更の手続きを行わなければなりません。また、正当な理由なく放置すると10万円以下の過料の対象となります。
相続税申告の期限(10カ月以内)の方が短いですが、相続登記も忘れずに行いましょう。相続登記については下記の記事も併せてご覧ください。
▶相続登記で最初にすることは?基礎知識から注意するべきデメリットまで解説
相続税額を下げる方法
相続税には、正しく適用すれば税額を下げることができる特例が用意されています。ここでは、3つの方法をご紹介します。
小規模宅地等の特例
被相続人(亡くなった人)が住んでいた自宅の土地を、同居していた配偶者や親族が相続する場合、その評価額を減額できる制度です。
配偶者の税額軽減
配偶者が相続する場合、実際に受け取った額が「課税価格1億6,000万円」または「法定相続分」のいずれか多い金額までは相続税がかかりません。
ただし、一次相続(父が亡くなった時)で配偶者がすべて相続してしまうと、将来の二次相続(母が亡くなった時)で子どもたちが支払う税金が跳ね上がるリスクがあります。相続税の対策をする場合は、一次相続と二次相続をトータルで考える視点が重要です。
未成年控除
相続人が未成年の場合、規定の計算式に基づいて相続税を控除することができます。未成年控除の額は、相続人が18歳になるまでの年数につき、10万円で計算されます。
確定申告後に、いち早く相続相談・遺言相談をご希望の方へ
相談の際には、持参いただきたい公的書類があります。それは、固定資産税の課税通知書です。
固定資産税の課税通知書とは
固定資産税の課税通知書とは、支払うべき税額の根拠となる「不動産の評価額」が記載された書類です。この通知書があれば、全体の不動産状況が分かるとともに、そこに記載された評価額から、概算の財産評価を求められます。
この課税通知書は、「ある工程」を終えた後、5月〜6月頃に発送されます。(発送時期は各市町村ごとに前後します。)
固定資産税の縦覧
「ある工程」とは、固定資産税の縦覧です。
毎年4月1日から4月30日までの間、各町村役場の固定資産税を担当する部署に出向き、名寄帳(なよせちょう)を閲覧することができます。名寄帳とは、その人が所有する固定資産を一覧表としてまとめた書類です。固定資産税の課税通知書は、この縦覧期間が終了してから発送されます。
縦覧は、課税内容を確認する制度です。しかし、名寄帳を縦覧する人は、多くはありません。縦覧では、通常は有料である名寄帳の写しを、縦覧期間内は無料でもらうことができます。このように、縦覧制度の活用にはメリットがあります。
確定申告中の相談をご希望の方へ
例年、相続の相談に来られる方には、確定申告期間を終えるまで待っていただいております。4月になってから、最新の名寄帳で遺言相談を行っています。ご相談の際には、最新の名寄帳をお持ちいただくことがベストです。
相続Q&A
Q.相続登記の義務化について、すぐにすべきことはありますか?
まずは、名義人の整理を行いましょう。義務化は2024年から行われ、放置されている過去の相続分は2027年3月末までに登記を終えなければなりません。もし、所有している不動産の名義が亡くなった祖父のままになっているなどの場合は、登記手続きをすぐに進めましょう。
Q.まだ相続が発生していない(親が存命)のですが、今からできることはありますか?
相続が発生するのは、被相続人が亡くなった時。相続発生直後は、故人との別れで心の整理も付きにくい状況です。そのため、現金以外にも株式や不動産を含めた複数の財産をお持ちの場合は特に、存命中に所有している財産を整理して書き出したり、誰に相続するか・相続後はどうしたいかを話し合っておくことが重要です。
Q.専門家への相談は、いつ、誰にするのがベストですか?
相続のサポートは、税理士や行政書士にご相談ください。
相続発生前にご相談いただけると、遺言を考えて相続後の紛争を防ぐなどの事前の相続準備が可能になります。
相続発生後のご相談では、戸籍収集や、財産調査サポート、遺産分割協議書・相続税申告書の作成等のお手伝いが可能です。専門的な知識が必要な相続手続きも、伴走して支援します。
まとめ:大切な財産を円満に相続するために
相続の手続きは、大切な方を亡くした悲しみの中で行われることがほとんどです。加えて、その複雑さから手続きに手間と時間がかかることも多いです。そのため、事前の知識や準備があるかどうかでその負担が大きく変わります。
事前に相続手続きについて知っておくことで、今から家族と話し合っておいたり、相続後の方針を考えておいたりと、手続きと心の準備をすることができます。
相続は、大切なご家族の資産を引き継ぐこと。しかし、相続の際には、戸籍を集めたり、相続税の計算をしたり、申告書を作成して手続きを行ったりと煩雑な手順が多くあります。その負担を減らして正確な相続税申告を行うため、サポートが必要な際はぜひ専門家にご相談ください。
新潟相続のとびらでは、新潟に縁のある皆さまの相続のお悩みに寄り添い、未来のとびらを開く選択肢を相続の専門家として幅広くご提案させていただきます。
「親の残した資産が多岐にわたり、調査が難しい」「相続税の計算が正しくできるか不安」「相続税申告書を自分で正確に作成する自信がない」といったお悩みや、「子や孫にどう資産を残すか、遺言も含めて整理したい」というご相談もお受けしております。
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八百板 誠 税理士、行政書士、ファイナンシャル・プランナー
税理士法人万代つばさ 代表
新潟相続のとびらでは、私自身の税務署勤務時代のノウハウ、税理士・行政書士としてのスキルや経験、そして、弁護士や司法書士、土地家屋調査士といった各分野の専門家とのネットワークを生かし、幅広い相続のお悩みを解決に導いています。お客様の未来につながる選択をサポートできるよう、できるだけ複数の解決策を提示いたします。どうぞお気軽にご相談ください。